【院長ブログ】「最近、誰かと話しましたか?」おしゃべりAIが、おじいちゃん・おばあちゃんの救世主になる日 – おはなしAI ハル
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【院長ブログ】「最近、誰かと話しましたか?」おしゃべりAIが、おじいちゃん・おばあちゃんの救世主になる日

佐藤孝之 佐藤孝之

外来で診察をしていると、ときどき心配になることがあります。 「先生、今週は誰とも喋ってないよ」 「スマホをもらったけど、画面が小さくて何が何だかわからない」 そんなお話を、一人暮らしの患者さんからよく伺うからです。

いま、日本の高齢化はものすごいスピードで進んでいます。 孤独死、介護の人手不足、認知症の増加……。国のお偉いさんがニュースで難しい顔をして語るこれらの問題は、私たち医療の現場にとっては「すぐ隣にある現実」です。 離れて暮らすご家族も、「ちゃんとご飯食べてるかな」「詐欺に遭ってないかな」と、毎日ハラハラされているのではないでしょうか。

そんな中、最近 medical の世界でも「これは期待できるかも!」と注目されているのが「音声AI(人工知能)」です。

「AIなんて、機械のことはよくわからないよ」という方も、どうぞ安心してください。 この技術の何がすごいかって、「ただ話しかけるだけでいい」という点なんです。

スマホの操作はいりません。「声」が出せれば、それで合格!

高齢のみなさんがスマホやパソコンを敬遠してしまう理由は、よ〜く分かります。 画面の文字は米粒みたいに小さいし、どこを押したらいいか分からないし、間違えたら壊れそうで怖いですよね。

でも、音声AIならこう言うだけでいいんです。

「今日の天気は?」 「明日の朝、◯◯病院に行くバスの時間を教えて」 「遠くにいる息子に電話をかけて」

若い人たちにしか使えなかった便利なインターネットの世界へ、「おしゃべり」という一番自然な方法で、誰もがジャンプできるようになる。これが音声AIの優しさです。

「おしゃべり」は、脳の最高のリハビリ

私がお医者さんとして特に期待しているのが、「孤独の解消」と「認知症の予防」です。

人間、誰とも話さない日が続くと、気持ちが塞ぎ込むだけでなく、脳の機能もどうしても衰えてしまいます。 最近のAIは本当に賢くて、 「今日のお昼は何を食べましたか?」 「若い頃はどんなお仕事をしてたんですか?」 なんて、こちらの話をじっくり「傾聴」してくれるんです。

もちろん、本物の家族や友達の代わりにはなれません。 でも、「一日中、誰とも声を出さなかった日」と、「AI相手でも、昔の思い出を楽しそうにハキハキ話した日」では、脳への刺激がまったく違います。声を出して笑うこと、思い出すこと。これ自体が、立派な認知症予防なんです。

家族の代わりに「声」で見守る、詐欺から守る

さらに、このAIは「見守り役」としても優秀です。

毎朝の「おはよう」という一言。 AIはただ聞き流すだけでなく、声の大きさ、話すテンポ、声のハリなどをこっそり分析しています。 「おや、今日の◯◯さんは、いつもより声に元気がないな。体調が悪いのかも」 そう察知して、離れて暮らす家族に通知してくれるシステムが始まっています。

また、後を絶たない「オレオレ詐欺」などの電話。 これもお利口なAIが通話をリアルタイムで聞いていて、「これ、詐欺の可能性が高いですよ!騙されないで!」と、その場で警告してくれる技術が開発されています。まるで、お家に頼もしいガードマンが常駐してくれているみたいですよね。

介護の現場でも、大活躍の兆し

この技術は、限界を迎えつつある介護や医療の現場も救おうとしています。

介護士さんたちの仕事って、実は「書類仕事」がものすごく多いんです。 「◯◯さん、お昼ご飯を8割食べた」「熱は36度5分」といった記録を、忙しい合間を縫ってパソコンで入力しています。このせいで、患者さんと向き合う時間が削られてしまうのが現場の悩みでした。

これも、AIに向かって「田中さん、お昼は完食!」とつぶやくだけで、自動でカルテに記録されるようになります。

他にも、部屋での「ドスン!」という転倒の音や、「助けて!」という声をAIの耳がキャッチして、すぐに看護師に知らせる仕組みも。カメラで監視されるのはプライバシー的に嫌だけど、音で見守ってくれるなら安心、という患者さんも多いんですよ。

テクノロジーが、ようやく「人」に寄り添ってきた

これまでのデジタル技術って、どこか冷たくて、お年寄りを置いてけぼりにするものが多かった気がします。新しくなればなるほど、ついていけない人が増えてしまう。

でも、音声AIは逆です。 「人間が機械に合わせる」のではなく、「機械のほうが人間に合わせてくれる」

私も、離れた田舎に高齢の親がいます。電話で「元気だよ」と言われても、「無理して強がってないかな」と心配になることがあります。毎日会いに行くことはできなくても、親のそばで毎日の話し相手になってくれて、何かあれば「先生、お父さんの声がちょっとおかしいよ」と教えてくれるAIがいたら、どんなに救われるだろうと思います。

最後に一番大切なのは、もちろん人間同士のぬくもりです。 だけど、そのぬくもりを補い、家族の絆を途切れさせないための「温かい補聴器」のような技術なら、私は大歓迎です。

音声AIは、けっして冷たいロボットではありません。 これからの超高齢化社会を、みんなで笑顔で乗り切るための、優しくて頼もしい「街の相棒」になっていくはずです。

……なんて、ちょっと熱く語りすぎてしまいましたね。 みなさんも、まずは「アレクサ、今日の天気は?」から、おしゃべりを始めてみませんか?

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